日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

立憲民主党は、「本当に」消費税増税に反対か:連合は消費税増税に賛成。自治労もおそらく賛成。

今日の要点

・現在、野党は立憲民主党の一強体制です。参院選で政府・自民の目を覚まさせるには、立民に票を集めるのが効果的なのが現状です。

・しかし、立民が「本当に」消費税増税に反対かは疑わしいと思います。連合はもちろん、おそらく自治労も、消費税増税に賛成だからです。

日本維新の会は、歳出削減と景気回復等がなければ、消費税増税に反対です。その維新は、他の野党と連携しないし出来ないでしょう。野党第一党になる気がありません。

・結局、立憲民主党が本気で消費増税に反対しない限り、政府・自民はいくらでも消費増税が出来ます。国民は、立民が消費増税に本当に反対か、厳しく監視し、声を上げるべきです。

野党は立憲民主党の一強。他の野党と組まなくても、前回参院選民進党並みの結果か。

日経の世論調査によれば、参院選投票先で、自民と答えた人が41%、立民と答えた人が12%でした。
前回の参院選の前、同じ頃の世論調査で、自民は44%、民進党は12%で、前回参院選での、実際の比例代表の得票率は、自民党が36%、民進党が21%でした。つまり、立民は、今の支持率なら、前回の民進党と同じくらいの得票が出来てもおかしくありません。

www.nikkei.com

これでは、立民が強気になって、他の野党と下手に組もうとしないのも分かります。

もし、国民が、政府・自民の今の横暴さを何とか正したいと思ったら、強い野党が必要です。現状では、良くも悪くも、立憲民主党がその選択肢となります。

 

立民は、本当に消費税増税に反対か?連合は消費増税に賛成。自治労もたぶん賛成。

しかし、立憲民主党は、どの程度信頼できる政党でしょうか?特に、消費税増税について、立民は本当に反対でしょうか?立民の支持母体の連合が消費増税にずっと賛成してきたこと、立民と特に関係の深い自治労もおそらく賛成であることを考えると、立民が本気で消費増税に反対しているか、疑わしいと思います。

立憲民主党枝野幸男代表は、去年10月5日の記者会見で、「消費税をいま上げるだなんて、この社会経済状況でとても考えられない」、「大衆増税は当分できない」と発言しました。

「いま」上げる状況にない、大衆増税は「当分」できない。まるで、「ただちに」健康に影響はない、ですね。

要は、消費増税に反対する根拠は、あくまで、景気状況。それさえ整えば増税すべき、と考えているのではないか。この疑念を拭えません。

digital.asahi.com

去年6月27日の党首討論では、「自民党は来年夏から参院議員定数を6増やす案を提起した。消費税を上げる直前に国民の理解を得られるか」とも発言しています。今以上の身を切る改革や徹底行革が先、とは言っていないようです。

digital.asahi.com

立憲民主党のウェブサイトでも、消費税については、「中長期の財政健全化目標を定め、その目標に基づく歳出・歳入両面から改革を行い」という抽象的な表現に終始していますが、「歳入」改革、即ち増税の中に、消費税も含まれそうです。

cdp-japan.jp

以上のように、枝野代表も、党の基本政策の表現も、景気さえ多少上向けば消費増税可能、と言っているように見えます。

しかし、消費増税は、景気だけ良くなってもやるべきではありません。その前に、徹底した歳出削減が必要です。このことは、何度も、当ブログで主張してきました。

改革派の財政政策①:増税より歳出削減 - 日本の改革

改革派の財政政策①-2:増税より歳出削減(Part2)⇒増税か歳出削減か、国民が選択できるようにすべき。 - 日本の改革

立民は、なぜ、歳出削減なき消費増税の可能性を否定しないのか。もちろん、旧民主党政権で「社会保障と税の一体改革」を進めた手前、政策転換はなるべく少なくしたい、という筋論もあるでしょう。しかし、それ以上に、支持団体である連合や自治労の意向が大きく働いていると思います。

連合は昨年11月30日、今年の参院選に向けた政策協定を立憲民主、国民民主両党と結びました。連合は参院選で両党を支援し公認候補も推薦することになりました。その政策協定の中で、「社会保障制度の再構築や責任ある財政の確立」を目標に掲げたそうです。つまりは、社会保障と税の一体改革ですね。

www.iza.ne.jp

連合は、既に2011年6月に発表した「第3次税制改革基本大綱」で、「社会保障制度の維持・機能強化に対応した段階的な引 き上げ 」を主張し、当時の民主党政権が掲げる「社会保障と税の一体改革」の議論に積極的に参加する、としています。現在も、ウェブサイトで、「社会保障と税の一体改革」を推進すると明言しています。

www.jtuc-rengo.or.jp

最近では、連合の神津会長は、自民党の議員同様に、消費税率を10%に上げるだけでは足りないと思っているのか、去年あたりから、全世代的なバラマキのためにもっと増税しましょう的な「オール・フォー・オール」という意味不明な政策をやたらに吹聴してまわっているようです。旧民進党の前原氏が言ってた政策ですね。

hbol.jp

さすがに枝野氏もこれには反対してますが、連合がこれほど強調するものを、どの程度突っぱね続けることが出来るのか。消費増税反対の理由を、景気への配慮だけに求めている言い方には、強い危惧をおぼえます。

連合の中でも、地方公務員組合である自治労は、立民支持を鮮明にしています。連合本体が立民も国民民主も支援するなか、それに先立つ去年1月には、自治労は、特に立民を支持する、としていました。

www.sankei.com

 もっとも、自治労のウェブサイト等を見ても、消費増税賛成!とは書いていません。ただ、自治労は、消費増税に、特に賛成すべき理由があります。消費税収の一部は地方消費税として、自治体の収入になるからです。地方消費税は、自治体には本当にオイシイ財源です。消費税は安定的な税収が見込めるだけでなく、国税なので、自分たちは徴収の苦労もありません。以下の本も、この理由で、自治労は消費増税に賛成だと主張しています。

www.amazon.co.jp

なお、労使で立場は違えど、知事会は昔から消費増税にはいつも賛成でした。既に2008年から、消費税率を上げろと言っています。

facta.co.jp

維新は「歳出削減なければ消費増税なし」という立場。ところが、維新は他の野党と連携しないし、出来ない。

これに対し、消費増税に厳しい姿勢で臨んでいるのは、日本維新の会自由党です。維新は、消費税増税凍結法案を国会に提出してきました。

消費税率を上げるためには、①歳出削減、②景気回復、③軽減税率廃止、を条件としてきました。消費税については、基本的には、これがあるべき改革です。

https://o-ishin.jp/houan100/pdf/detail030.pdf

ついでの話ですが、この法案のウェブサイト動画での解説を、増税賛成派の藤巻議員にやらせているあたり、なかなかの意地悪ぶりですね(^_^;)

o-ishin.jp

自由党も、消費増税に反対です。党のウェブサイト「基本政策」の「はじめに」の部分に、以下のように書いています。

「消費税増税を廃止するとともに、ムダづかいのない行政とデフレ不況からの脱却を実現する。そして、「地域」を守るために、行政の権限と財源を地方に大胆に移し、地域のことは地域で決められる仕組みに改める」

www.seikatsu1.jp

「廃止」という表現以外は、①消費増税反対、②行政改革、③デフレ脱却、④地方への権限・財源移譲、ということで、維新の主張とほぼ共通しています。

では、維新は、消費税反対の立憲民主党自由党と組む意思があるか、意思があったとして組めるか。

まず、本人達の「意思確認」です。維新代表の松井氏は、国民民主と自由、立憲と社民の合流を野合談合と批判、参加しない姿勢を表明しました。希望とは組んでるんですけどね。

松井氏の子分の馬場幹事長は、こう発言しています。 

「国民民主からは我が党幹部にいろいろ(連携の)アプローチがあったが、うちは野党第1党を目指していません。我が党が言う「身を切る改革」や憲法改正の基本的な考え方が一致しないと。数は二の次、三の次。」
digital.asahi.com

というわけで、ご本人達は、希望以外とは全然組むつもりはないと。それどころか、野党第一党を目指す意志もないと党の幹事長が明言しました。では、日本維新の会という国政政党は、一体何のために国会で活動しているのでしょうか?

ちんまりとしたミニ野党に甘んじて、小さな所帯の中で各議員は幹事長だの国対委員長だの政調会長だのと大仰な肩書を得て、政党助成金を使いたい放題。他の野党の悪口でも言ってれば、自民国対あたりが、旧民主の国対に出さない小さな情報を教えてくれたりする。大坂のJCで自民の議員の後援会活動していた遠藤氏あたり、嬉しくて誇らしくてたまらないのでしょう。

自民と戦うにせよ、協調するにせよ、この政党には、政権を奪取して、橋下総理の下に大改革を実現するような気概がもう見えません。馬場氏は、かつて私にはっきり言いました。橋下さんを総理にして、大改革をやるんだと。いま、彼はなんと言っていますか?野党第一党さえ、目指さないと。それで一体、どうやって橋下政権を作るのか。そんな気が全くないとしか思えません。橋下さんが代表・顧問だった頃の政策だけは一応残っているだけに、私は今の日本維新の会の姿を、本当にもう何というか、言葉で表すことが出来ないでいます。

とにかく、維新の代表・幹事長らは、同じミニ政党の希望以外とは全く組む気がないと。そして、仮にその気になったとしても、立憲民主党は絶対に相手にしないでしょう。散々悪口を言われたとかいうだけではなく、大阪の選挙で不倶戴天の敵同士ですし、連合も反対します。

一昨年の衆院選直前、希望の党が維新と選挙協力を決めたことにつき、連合の神津会長は「連合として、大阪で鋭い対立関係にある日本維新の会との協力はあり得ない」「信義の破綻は明白」と、希望の党側を批判しています(以下の本のp28)。私に言わせれば、だからこそ当時の希望の党は期待できたのですが、まあ死んだ子の年を数えることはやめましょう。

www.amazon.co.jp

何よりも、今の立民なら、社民のようなミクロ政党の吸収はともかく、下手に他の政党と組まない方が、支持率を保てるという計算があるでしょう。立民と維新の連携や選挙協力は、どちらの側からもありえません。

残念ながら、消費税で正論を言っている維新が、自民を倒して今後の消費増税をストップさせることは、いずれにしてもなさそうです。

立憲民主党が、本気で消費増税に反対するか。国民はよく監視し、声を上げるべき!

現状では、野党の中では、立憲民主党が完全な一強。自民に対抗できる勢力として、残念ですが、この政党が唯一の存在になっています。消費増税に反対と言ってはいますが、連合の阿呆な会長と無責任で利己的な自治労が消費増税には賛成なのですから、どの程度本気で反対を貫くか分かりません。反対の根拠は景気への悪影響だけ、それなら、景気が多少良くなれば、歳出削減の努力なしで増税賛成、となりかねません。最悪の場合、自民と組んで、第二、第三の「社会保障と税の一体改革」さえやりかねません。

そんなことにならないように、まずは国民が、立憲民主党が本気で消費増税に徹底的に反対するのか、よく見張るべきでしょう(国会で乱闘するかどうか、という意味ではないです、もちろん)。私は、今の立憲民主党の支持率は、あの党の主張・実態から考えて高すぎると思います。消費税について少しでもぶれたら、あるいは、歳出削減をしないままでの増税に賛成するそぶりだけでも見せたら、消費税について連合と自治労の要求に少しでも屈しているように見えたら、大声を上げて立民を野党第一党から引きずり下ろすべきです。

自民だろうと立民だろうと維新だろうと、政党なんて、基本的には、どこもここもろくなものではありません。国民が本気になって監視し、本気になって政治について発言し、「お前らがなめた真似をすれば、ちゃんと選挙で落とすぞ」というプレッシャーを、常に政治家に与え続ける必要があります。特に、消費税という問題についてはそう言えます。始まったばかりの通常国会、よく見張っておこうではありませんか。