日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

消費税増税の是非:安倍政権は、小泉政権の改革の原点に立ち返れ。

今日の要点

・政治家達は消費税率を20%くらいに上げたいのが本音のように見えます。

・このような安易な増税路線は、2012年の「社会保障と税の一体改革」が出発点です。使い道も決めずに、歳出削減の努力もせずに増税だけ先に決めるやり方を、国民は二度と許すべきではありません。

・政府は、小泉政権時代の改革の原則に立ち返り、徹底した歳出削減なしの消費増税を撤回すべきです。

政治家達の本音は消費税率20%?

今年10月の消費税率引き上げについて、菅官房長官が慎重な発言をして、麻生財務大臣が不快感を示していると、毎日新聞が報じました。

mainichi.jp

安倍総理も「リーマン級のショックがなければ」引き上げる、と含みのある言い方ですし、選挙の年なので、まだ分からないところはあります。

しかし、政治家達の本音は、消費税率を10%を超えてどんどん引き上げたい、というように見えます。最近の安倍総理は、自民党の言いなりの場面が増えましたが、その自民党竹下亘総務会長は、「消費税10%で打ち止めというわけにはいかないと感じています」と、去年の10月に発言しています。 

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さらに、自民党税制調査会野田毅最高顧問は、中長期的な消費税率の水準について「20%は超えない方が良い。今のままなら3割(30%)だという話もあるが、いくら何でもどうかと思う」と言ったそうです。

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この消費税率20%というのは、多くの政治家達の相場観かもしれません。EU付加価値税でもさすがに30%はなくて高くて20%台後半、各国ともだいたい20%前後なので、それも念頭にありそうです。つまりは、先進国の立法例で出来るだけ高い税率にしたい、ということでしょう。

eumag.jp

自民党の政治家達は、消費税がどれほど経済に打撃を与えるかをまるで考えずに、安易に増税に頼る姿勢がはっきりしています。安倍総理も、景気には配慮していますが、歳出削減を先行させる姿勢は見えません。

社会保障と税の一体改革」は安易な増税路線。二度と繰り返すべきではありません。

野田元総理と当時野党自民党総裁の谷垣氏(*訂正しました)が主導して決めた「社会保障と税の一体改革」に関する三党合意は、消費税率をたった1年半で5%から10%に倍増させることだけ決めて、社会保障での使い道は、社会保障制度改革国民会議によって後で決めるという、とんでもない代物でした。与党と野党が仲良く談合すると、国民にとって最悪の政治になるという見本でした。
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安倍政権は、ケインジアン的な「アベノミクス」と、増税優先の「社会保障と税の一体改革」の両方で股裂き状態の経済運営を続けてきました。アベノミクスの金融緩和による景気浮揚に2013年に成功、ところが、社会保障と税の一体改革による増税で2014年は大震災時以上の不況に。これに懲りて二度増税を延期し、今また、社会保障と税の一体改革の二回目の増税を目前に、必死で悪影響を減らそうとしています。

なぜ、このようなバカげた合意にこだわり続けたのか。自民党はもちろん、安倍総理も、景気後退はいやだが財政再建増税先行で構わない、と安易に考えているからです。2014年の消費増税は、その頃の安倍総理があまりに愚かだったために経済への悪影響が分からず、アベノミクス初年度の成果を自ら帳消しにした形です。さすがに学習した後は、景気に配慮して慎重に進めようとしていますが、歳出削減を先行させるべき、という発想はありません。

安倍政権は、本来、社会保障と税の一体改革による合意など、2013年のうちに反古にしてしまえば良かったと思います。そうすれば、アベノミクスによる経済成長が2014年以降も持続し、税収も上がり、歳出削減もやりやすい環境になって、財政再建が進んだでしょう。

政府は、小泉政権時代の改革の原点に立ち返れ。

今年10月の増税も「再々延期」ではなく「凍結」でもなく、「撤回」するべきです。教育無償化の財源は、当面は国債発行で何の問題もありません。未来への最良の投資なのですから。

政府は、小泉政権時代の改革の原点に立ち返るべきです。

小泉純一郎元総理は、主要閣僚と自民党政調会長に、こう檄を飛ばしました。

「ギリギリまで歳出削減をやって、これ以上やるなら増税してくれと言うまでやらなきゃダメだ。それくらい歳出削減は大事だ。俺が消費税は上げないと決めたから、小泉改革で歳出削減も進んだんだ」(清水真人『経済財政戦記』p225)

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いま、政府に対して、これほどの気迫で歳出削減を迫れる野党はありません。

国民民主党は消費増税を予定通りやるべきと言います。だからあの支持率です。

立憲民主党はさすがに消費増税反対に転換しました。民主党時代から見て二枚舌ですし、これでは信頼されないのは確かではあっても、過ちを改めただけ、国民民主党よりはマシです。しかし、彼等には歳出削減の覚悟が全くありません。

日本維新の会は、身を切る改革・徹底した行政改革(歳出削減含む)を先行させるべきと主張はしています。一番、小泉政権の改革の方向に近いと言えるでしょう。しかし、橋下徹氏がいない今、国での大改革を行う能力はないでしょう。最低限、他の改革派政治家達と大同団結して自民党政権を倒す意志が必要ですが、それがないのでは話になりません。

消費税問題については、以上のようにどの政党もあてにならないと思います。国民としては、今年の選挙で、政党ではなく、個々の政治家をよく見た判断が必要だと思います。誰が本当に「ギリギリまで歳出削減をやって、これ以上やるなら増税してくれと言うまでやらなきゃダメだ」と考え、行動してくれそうか、国会や街頭での活動を、よく見ていきたいものです。